自分が作ったものが世の中に出回る喜びを 株式会社 長田電材工業 金型工場
今回は、同工場の最若手、入社7年目の須山弘基さんにインタビュー。「自分が初めて携わってできたヘッドライトが、実際に街中を走る車に使われているのを見たとき、仕事の面白さを感じた」と話す須山さんに、仕事のやりがいや職場の雰囲気などを伺いました。
須山弘基(すやまひろき)さん
都留市出身の24歳。山梨県立都留興譲館高等学校 機械工学科を卒業し、2019年春に入社。自宅から近く、車やものづくりが好きだったことから、就職先を選択。現在の所属部署は「NC係」で、主に機械加工を担当している。
「自分は自分」でコツコツと
やりがいは努力を重ねた先にある達成感
−須山さんのお仕事の内容を教えてください。
この工場では、ヘッドライトなど、車のライト関係の部品の金型などを作っているのですが、所属部署のNC係では、マシニングセンタという機械を使って金型の加工、さらに、型彫り放電加工と言って電極で鉄を溶かして型を作るという作業をしています。
−どんなところにやりがいを感じますか?
まだ発売されていない部品を作っているのが面白いです。1つの金型が完成するまでに、ものによりますが、自分の作業は1〜2週間、社内全体では1〜2カ月。そして、それが量産されて車として世の中に出回るのは1年半〜2年後くらいになるんです。街中で走っている車を見て「あ!これ自分が作ったやつだ!」と分かるので、それは面白いところですね。
−それは感動しますね!
自分が入社して初めて作ったものが走っているのを見たときのことはよく覚えています。
−特に大変だったお仕事は?
お客様の要望や設計書に沿って加工をしたのに、その通りにならないときは大変です。何度も機械にかけ直して、加工しては測定して、また加工して測定して、を、細かく細かく、指示通りのものができるまで繰り返すので。
−数ミリもしくはそれ以下の、本当に細かい作業になってくるんですよね。集中力と忍耐力が試されると思うのですが・・・
結構つらいです。でも、やらなきゃ!という責任感がありますし、出来上がると嬉しいですよ。
−次に、職場の雰囲気を教えてください。こちらの工場で働かれている方は30人ほど(そのうち女性は4人)、平均年齢は46才で、最も若いのが須山さんとお聞きしているのですが・・・?
はい、そうですね。
−先輩方はどんな雰囲気ですか?
仕事中は、みんなで賑やかにというよりは、各々が黙々と作業をしています。きっちりとしている方が多くて、納期が近いと緊張感もありますね。最初は、年が離れていて、名前も分からないし、近寄りがたい雰囲気を感じていましたが、分からないことは聞けばしっかり教えてくれますし、今は仕事の合間にプライベートの話をすることもありますよ。
−社員同士の交流を深めようという場はありますか?
食事会や忘年会がありますが、そんなに多くはないと感じています。お酒が好きなので(笑)
ただ、普段から、物理的に結構近い距離で働いているので、他の部署の人とも会話をしていますよ。誰がどこの部署でどんな仕事をしているか分かるくらいの距離感なので、これに困ったらこの人、あれはこの人に聞きに行こうって。
−1日のスケジュールを教えてください。
出社は8時15分で、朝礼をしてから、各々が作業に取り掛かります。昼食は、お弁当を持ってくる人や、すぐ近くのコンビニで買ってくる人、家に帰って食べる人など様々です。希望する人は仕出し弁当を注文することもできます。定時は17時05分です。
−残業やお休みは?
部署とタイミングによりますが、会社のカレンダーがあって、繁忙期は残業や休日出勤があります。自分は必要に応じて仕事とプライベートのスケジュールを調整しています。お盆やお正月などの休暇もあります。
好きなもの=車・ものづくり・ボウリング・地元の友人・・・
「好き」ができる職場を選択
−須山さんは、なぜこの会社を選んだのですか?
もともと車が好きで、ものづくりも好きだったので。一から何かを作って、どんどん形ができていくのが好きで、この会社も最初から完成まで見られるのが良いなと思いました。
あと、自宅から近いというのが大きな理由です。8時15分から始業なので、8時くらいに家を出ても間に合います(笑)
−毎日のことですから、通勤にかかる時間は確かに重要ですよね!退勤後や休日はどう過ごしていますか?
趣味でボウリングをやっているのですが、仕事が終わったら大体ボウリング場にいます。祖父の影響で、小学6年生で始めて、高校の頃は全国8位にもなりました。今もアマチュアの大会に出ています。
−すごい!!ちなみにスコアは・・・
ハイスコアは300、大体250を越えるくらいです。
−いつもどのくらい練習されるのですか?
毎回4ゲーム以上は投げています。今日はこれをしようって決めて、それが達成できるまで。この日できなかったことを最後のゲームで修正する、みたいな。ボウリングのピンが倒れる音も好きですし、自分はボールを結構曲げるんですけど、それが気持ち良いです。
−今のお仕事に通じるものがありそうですね。
そうですね、似ているところもあると思います。どちらもほんのちょっと変えるだけで全然違うので、面白いですね。
あと、お酒が好きなので、休みの日は都留に住んでいる親友たちと飲みに行っています。
−プライベートと仕事、どちらも大事にできる環境が、今の職場だったのですね。
そうですね。100%とはいかなくても、ある程度のバランスが取れていると思います。
何はともあれ「現場でやってみる」
失敗は恐れず挑戦を!!
−では、須山さんがこれからやっていきたいことはどんなことですか?
会社にある全ての機械をマスターしたいですね。今、5分の4くらいまできているので。その先は・・・内緒です!(笑)
−あと少しですね!頑張ってください!!
最後に、貴社への就職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分は機械工学科の出身ですが、実際に働く上では、学校で勉強した何倍、何十倍もの詳しい知識が必要でした。
でもそれは、入社して、現場で、先輩の仕事を見たり、実際に機械を触ったりしていく中で身に着けていくもので、椅子に座ってパソコンに向かって勉強するということは、この会社ではあまりありません。
だから、基本的なコミュニケーション、挨拶や受け答えがきちんとできる人、そして、失敗を恐れずに挑戦できる人であれば大丈夫だと思います。
取材後記
時折悩みながらも、素直なお気持ちを聞かせてくださった須山さん。お聞きして、仕事内容そのものはもちろんのこと、自分が好きなものとは?自分の人生で優先したいこととは?と考えることも、就職活動をする上で大事なポイントなのだと改めて感じました。
また、インタビュー終了後、個別に工場長の佐藤貢三さん(56)にもお話を伺いました。
佐藤さんによりますと、須山さんは
「みんなにとって息子や弟みたいな可愛い存在」
「若くて将来性もあるので、色々な部署で経験を積んで、会社の全体的なことを理解できる人間になってもらいたい。その中で、自分はこの作業には自信があるというものを見つけてもらえたらと思う」
「ボウリングが得意と聞き、”俺が相手してやるよ”と一緒に行ったら、桁違いでした(笑)」
佐藤さんご自身は、お仕事に対して
「機械1つマスターするのに半年〜1年かかる。さらに、作る金型は同じものが1つとしてないので、機械の扱いには慣れても、扱う製品に慣れることはない」
「大変だけど、自分が作ったものが世の中に出回る、結果が見えるというのが、ものづくりのやりがい」
と感じていらっしゃるとのこと。ものづくりの魅力を教えていただき、ありがとうございました!
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